地元にはビッグダディが50人いた
お正月のときの話。いや、年末だったかなあ。
実家で父親と「ビッグダディ」を観ていた。
なんか知らないけれど、その映像では久々にビッグダディが実家に帰っていた。
父はその映像をみて「あ、ここ●●さんの家だ」「ここは○○さんの家」。
「○○商店に行くんじゃないか?」とボソボソ言っていた。
数秒後に、ビッグダディがその建物に「ごめんくださ〜い」と入っていく映像が流れ、その家の主に挨拶をしていた。
すると、その家の主が出てきて、その下にテロップで「○○さん」と出てきた。
父は「ほらな♪」と得意気になっていた。
おいらは「ガッテム!」と思った。
おいらの地元は2013年「あまちゃん」で盛り上がっていた。
町の至るところに「あまちゃん」のポスターが貼られ、駅には実際に「あまちゃん」で使われた看板も飾られていた。
その様子を関東から見ていて、最初は正直、違和感を抱いていた。
でも、だんだんと「案外、地元も素敵な町だなあ」と思えるようになっていった。
しかしなんだかんだ言っても、やっぱりずっぱり地元は苦手。
なぜかというと、ビッグダディみたいな人がたくさんいるからだ。
あまちゃんみたいな子はいない。いても、埋もれている。
おいらは、内気で消極的な性格だから、ビッグダディみたいな人とは相性が悪い。
しかし、ビッグダディみたいな人からは「素直で扱いやすい」と思われるから困る。
あと、勝手に「話が上手で面白い」「ていうか見た目が面白い」とかワイワイ噂しやがる。
「俺がこう思ったらこう!」「俺はこういう人間だ!」
ビッグダディの実家とおいらの実家は20キロぐらいは離れている。
結構離れているようだけど、周りにはビッグダディみたいな人間がたくさんいた。
中学、高校と数えて、概算で40〜50人ほどのビッグダディと話したことがある。
年下だろうがなんだろうが、ビッグダディはおいらに敬語なんて使わない。
学生時代、ビッグダディみたいな男子はとてもモテた。
女子からすれば、男らしくて素敵なんだとさ。
坊主頭がモテた。
ビッグダディみたいに、頭にタオルを巻いている人がモテた。
海の男っぽい人がモテた。
スクールカーストの頂点にいたのは、いつだってビッグダディだった。
頭のいい人はキモがられる文化だった。
全員じゃないけれど、頭のいい人はキモがられる傾向にあった。
おいらはそこまで頭はよくなかったけれど、ビッグダディみたいな人に「テスト、カンニングさせて」と揺すられたことがある。
巨デブの球体体型(当時160センチ90キロ)だったのに、ネタで「運動会のチアリーダー、お前やれよwww」と言われたことがある。
さすがにこのときは、全力で抵抗した。
「ででで、できるわけないコフーwww」
時は過ぎ、高校を卒業。
ビッグダディみたいな人は、ほとんど地元に残った。
そして、7割のビッグダディは20歳そこそこで結婚した。
そのうちの半分近くが離婚したり、再婚したりしている。
ビッグダディたちは子供が出来るのは早かった。できちゃった結婚だ。
10代、20代前半で子供2〜3人出来てるのが普通。
地元で会うと、一人前の顔をして歩いている。
中古のレクサスや謎の外車に乗ってブイブイいわしてる。
ちなみに、美奈子みたいな人はビッグダディ50人に対して30人ぐらい。
美奈子みたいな人も多い。
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